ページビューの合計

2014年2月7日金曜日

2014/2/7 各自が抱えるべきもの

静岡シェアオフィスを退去予定の しらいわ です。詳細はまたいつか。


まずはご報告まで。






さて、インフルエンザネタも尽きてきましたが、下記のような文章を寝込んでいるときに書いたのでアップいたします。


こういう文章ってライティングのスキルアップのためであって、自己陶酔のためではありません。


先週、誤解を受けたので念のため。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡




少年の頃、風邪で高熱を出すと必ず同じ夢を見た。そして、うなされた。


少年の僕は草原の中にある白い柵の脇に立っていた。辺りは暗く、白い柵だけがぼんやりと浮かび上がっている。


その白い柵の横に僕が立ち尽くしていると、遠くの方で、はるか遠くの方で、どーん、どーんという大きな音がするのが聞こえてきた。そして、その音は少しずつ、少しずつ僕のいる方へと近づいてきている。



僕は怖かった。とても怖かった。しかし、僕は動くことができなかった。逃げることができなかった。


その頃の僕は弱く、何かあると泣くことしかできない少年だった。



僕にできたことは、その音がただ通りすぎることを祈りながら、立ちすくむことだけだった。


しかし僕にはわかっていた、その音は僕を目指して近づいてきていることを。僕に危害を加えることを目的で僕に近づいてきていることを。


その音は時間をかけながら、僕が恐怖に震えるのを楽しむかのように、ゆっくり、しかし確実に僕の方に近づいてきた。

そして、僕の背後に到着すると、最後に一つとてもとても大きな音で空気を響かせて、音の正体は静かに止まった。




空気にいつまでも続く細かな振動を残して。








そのシーンまで来ると、僕は必ず飛び起きた。全身を冷たい汗に覆われながら。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



少年の頃、風邪を引くたびによく見ていたその夢を見なくなったと気付いたのは、大人になってからのことだった。25歳の頃のことだったと思う。



あるとき、風邪を引いて寝込んでいるときに、かなりの高熱だったけれど、ふと、少年の頃の夢を久しく見ていないことに気づいた。



あれ?あの夢、最近、見ないな、と思った。



その頃までに、僕はそれなりに大人になっていた。


いくつかの恋を失い、いくつかの挫折をして、いくつかの裏切りを体験していた。多くの人を傷つけ、多くの人を怒らせ、多くの信頼を失っていた。心のいくつかの部分がなくなり、深い虚無が残っていた。



その時の僕にとって、怖いのは暗闇でもなく、大きな音でもなかった。



僕が怯えるべきはもっとほかのものだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



先日、インフルエンザの高熱にかかり、久しぶりに少年の頃よく見ていた夢を見た。


夢の情景はまったく同じだったけれど、夢の中で僕は少年ではなかった。少年の後に立つ1人の大人だった。僕は、暗闇と、近づいてくる大きな音におびえる少年を見つめていた。


その音は、子どもの頃に見ていた夢と同じように、大人になった僕と、少年の頃の僕の方へとゆっくりと、しかし確実に、近づいてきていたけれど、大人になった僕には暗闇の理由と、大きな音の正体がすぐわかった。



それだけのことかと、思った。たった、それだけのことだったのか、と。




少年の頃の謎はすぐに解けた。




僕は少年の肩に触れ暗闇の理由と、大きな音の正体を話してあげようと思った。怯える必要はないんだよ、その正体はとてもつまらないものなんだよ、と。



そして、少年の肩に手を伸ばしたかけたとき、僕はふと手をとめた。




少年に話すべきではない。




そんな風に思った。







私たちは恐怖を抱えて生きている。


その恐怖は各自が抱えるべき恐怖だ。







大人になった私は自分の意思で、目を覚まし、見慣れた天井を見つめながら、自分が向き合うべき恐怖について思った。








ふと、携帯に目をやると、税務署からの着信履歴が残っている、、、。


オーマイガー!!これは税理士にとっての恐怖だ (>_<)。




ちゃんちゃん。